「マグニフィセント・セブン」死に場所を求める者達
マグニフィセント・セブン
先週の1/27から劇場公開していて、早く観たくて観たくてウズウズしていました。
高校時代に当時の若手俳優を集めて作った西部劇「ヤング・ガン」というビリー・ザ・キッドをモチーフにした作品があって
エミリオ・エステベス、弟のチャーリー・シーン、「24」のキーファー・サザーランド、「ラ・バンバ」のルー・ダイアモンド・フィリップス、ジョン・ボン・ジョヴィもカメオ出演していてビデオを何回もレンタルして観ました。
続編も面白くて、しかもジョン・ボン・ジョヴィがサントラを担当してウォークマンでいつも聴いてた記憶があります。
ストーリー
西部劇は完全悪vs正義という構図が多いので何も考えずに純粋に楽しめるから好きなんですよね。
このマグニフィセント・セブンも例に漏れず、バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)という資本家(悪人)がローズ・クリークという町で保安官を買収し町を乗っ取り、暴行や安い賃金で町民を働かせ苦しめる。
ボーグ自身に目の前で夫を射殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)が復讐の為に町の全財産をかき集め用心棒を雇い正義と復讐を果たそうとするというストーリーです。
キャスト
※エマ・クレン(ヘイリー・ベネット)
今回のヒロインで既婚者。
町の教会で町民の集会中に乗り込んできたボーグに、逆らったという理由で目の前で夫をボーグに射殺されてしまう。
夫の仇を取る為、自ら用心棒を雇いライフルを手に取り戦う決意をする。
夫への想いとその気丈さで、見事復讐を果たす事が出来るか。
そしてエマの元に集まる七人の用心棒達
※サム・チザム(デンゼル・ワシントン)
南北戦争時代の北軍の元軍人。現在は委任執行官という肩書を持つ異色の黒人賞金稼ぎ。
理性的でリーダー格。
身のこなしも無駄が無く、冷静に抜く早打ちのガンマン
ボーグとは過去に浅からぬ因縁があり、エマの必至の頼みに応じる。
※ジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)
2丁拳銃を操るギャンブラー。女好きで冗談ばかり言うムードメーカー。
それぞれの銃に「妻のエセル」「愛人のマリア」と名付ける変わり者
チザムに借金を肩代わりして貰う代わりに参加を決意。
実は正義感溢れ勇猛果敢な戦闘スタイル。
「まだイケる」のシーンは同性として一番カッコ良かった。
※グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク)
元軍人。南北戦争時代は南軍の伝説的狙撃手。現在は賞金稼ぎ
しかし戦争中にPTSDに掛かっており、退役後は人を殺す事が出来ない精神状態に
過去に北軍に居たチザムに助けられた経緯があり、その恩に報いる為にビリーと参加を決める。
ビリーとは深い友情で結ばれている。
※ビリー・ロックス(イ・ビョンホン)
暗殺者の異名を持つ中国人。正確無比、相手が銃を抜くより速く投げるナイフの使い手。
賞金稼ぎだったロビショーに追われた時にその類まれなる戦闘力を見込まれ仲間に引き込まれる。
以後行動を共にしPTSDを患ったロビショーに同情し、その友情は厚い。
ロビショーの参加で当然自身も参加を決める。
※ジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ)
過去に先住民のクロー族に妻と子供を殺されの復讐の為にクロー族300人を殺したと言われる伝説のマウンテンマン(山男?)
巨体を揺らし手斧とナイフで突進し、聖書の一節を唱えながら惨殺する戦闘スタイル。
しかし敬虔なクリスチャン(本当か)で人懐っこい。
チザムからの参加を一度は断るも、死に場所を求め参加を決意。
※バスケス(マヌエル・ガルシア・ルルフォ)
陽気なテキシコ、もといメキシコ人。銀色に輝くピースメーカー2丁を操るアウトロー。
強盗を繰り返したあげく、テキサスレンジャーを殺してしまいチザムに追われる羽目に。
見逃す代わりに参加を要請されメンバーとなる。撃ち合いを楽しむ戦闘スタイル。
テキサス人を馬鹿にするファラデーとは言い争いばかりしているが実は心が通っていたらしい。
※レッドハーベスト(マーティン・センズメアー)
コマンチ族を追い出された若い先住民。戦闘の時は赤いペイントを顔に施す。
弓と斧で戦い、セカンダリに銃とライフルも使い、偵察役もこなすチームのサポーター。
孤独だった彼はチザムと出会い、正義の戦いに参加を決意する。
白人の食事を犬の餌と揶揄し口にもしない。
実は英語を理解し、のちに仲間を驚かせる。
この七人と残ったローズ・クリークの町民でボーグ率いる数百人の用心棒と戦争をするわけですが
書いた紹介分を見て頂くと分かる通り(劇中では各々が仲間になる経緯をかなり簡略している為、補足として少し書き足しました)
それぞれ皆個性があり2時間の上演時間も観ていて飽きませんでした。
まだ、イケる
特にお調子者ギャンブラーのファラデーのギャグが面白く
昔、ある男が5階の屋根から落ちた。
その男は階を落ちる度に「まだイケる、まだイケると」言いながら落ちていった。だが最後には死んでいたがな。
という下りが秀逸で爆笑しながら観ていました。
しかし、実はこれが後半シーンの伏線になっていて
腹部を撃たれたファラデーが「まだイケる」と言うんですね。
しかし、これを言った前者は死んでいるわけで
それを言っているファラデー自身も助からないと分かっていて言ったんじゃないかなと
そう思うと凄くカッコ良くて、同性として痺れる男だなと思いました。
ボーグとの決戦
そしてついに決戦が始まります。
敵は悪の資産家ボーグに率いられた総勢数百人。丘の上に騒然と陣取ります。
しかしこちらも用意は出来ている。
数々の罠を仕掛け入念に準備し、死ぬ覚悟も出来ている。
決戦を前に出て行った住民もいるが、残った者達と用心棒達の結束は固い。
敵を誘い込み、罠を発動させ、混乱に陥れそこに集中砲火を浴びせる。
時には穴から這い出し襲い、高所から銃弾を浴びせ数的不利を覆していく。
しかし多勢に無勢。一人、また一人と仲間は死んでいきます。
慣れない戦闘にも関わらずエマも味方を鼓舞し、ライフルで必死に応戦します。
死んで行く者、致命傷を負う者、命を省みず仲間を助けようとする者、助からないと確信し使命を果たそうとする者。
それぞれがそれぞれの命を燃やし悪に立ちはだかろうとするその姿。
夫を亡くしたエマが、ライフルを撃ちながら必至に抵抗する姿は観る者を惹き付けます。
お金を払って観に行って本当良かったと思える瞬間でした。
近年流行りの細かい激しいカット割りも少ないので、観るなら後部座席よりも前がお勧めです。
チザムとボーグの因縁とは?
撃たれたファラデーはどうなるのか?
悪魔の武器とは一体?
そしてエマと七人の用心棒達の結末はいかに。
西部劇「マグニフィセント・セブン」
是非ご鑑賞下さい。
余談ですが、予告編に使われている曲は
Heavy Young Heathens(ヘヴィ・ヤング・ヒーザンズ)による「House Of The Rising Sun」という曲だそうです。
Apple Musicにも有りました。
参考にどうぞ。
デレレレレレ、デデデ!