映画ブログ~鑑賞記録~

鑑賞した映画の紹介や感想です

なぜこの映画はここまで人の心を打つのか。「グレイテスト・ショーマン」その理由と感想と少々の解説。サントラとその和訳(原題:The Greatest Showman)

グレイテスト・ショーマン

 

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 2018年 2/16公開

監督 マイケル・グレイシー

キャスト ヒュー・ジャックマン

     ザック・エフロン

     ミシェル・ウィリアムズ

     レベッカ・ファーガソン

     キアラ・セトル

     ゼンデイヤ

 

 

なぜこの映画はここまで心を打つのか。

観た人はミュージカル映画の底力と感動を劇場で存分に味わったと思います。

勿論、自分もその一人です。

今回はまどろっこしい解説や、不要な知識は極力省いて

必要であろうと思われるキャスト紹介とあらすじ

そしてサントラの和訳や歌のシーンの動画も含めて

この映画の良さを伝えたいと思いました。

 

あらすじ

19世紀半ば、アメリカのコネチカット州

貧乏な仕立て屋の息子として育ったP.T.バーナムは裕福な家庭のチャリティという娘に恋をする。

その身分の違いは若い二人を結ぶ事叶わなかったが、

父親を亡くした事で、食う事さえも困るバーナム少年を大きく成長させた。

彼は後ろ暗い人生と苦労の末、鉄道会社に就職し

ついにチャリティに結婚を申し込む。

そして二人はついに結ばれ二人の娘をもうけ、貧乏だが幸せな日々を過ごす。

しかし、バーナムの勤め先の貿易会社が倒産し

彼等の運命は大きく揺れ動く。

彼は貿易会社の船舶所有権を持ち帰り、それを担保に銀行に借金をし

自分の夢である博物館を手に入れる事に成功する。

しかし、客は全く入らない。

日々の生活にさえも困る妻を目にしたバーナム

娘達の会話からあるヒントを得て、そのアイデアで博物館を変えようとしていた。

 

 

キャスト

P.T.バーナムヒュー・ジャックマン

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 貧しい少年時代であったが、常に前向きで夢に溢れ

そのポジティブさは周囲の人間さえ変えていく。

その才能で、誰も見向きもしなかった博物館は

誰もが驚くサーカス団へと変貌する。

ヒュー・ジャックマンの歌唱力は言わずもがな。

明るいキャラクターも板に付いていた。

 

チャリティ・バーナムミシェル・ウィリアムズ

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裕福な身でありながら、両親の反対を押し切って貧乏なバーナムと結ばれる事を選んだ女性。

夢を追う夫と娘二人に囲まれ幸せな生活を送る陰で、夫を支え生活をやりくりする。

劇中に歌った「Tightrope」は夫を信じ続けたが、傷ついてしまった彼女の胸の内を歌い上げた名曲だった。

 

 

フィリップ・カーライルザック・エフロン

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バーナムとは正反対の上流階級出身。

舞台劇のプロデューサーで、社交界にデビューしたいバーナムから

パートナーとしての誘いを受ける。

そして劇団に赴いた彼はアンという女性に一目惚れしてしまう。

アンは黒人でフィリップは上流階級。全く身分の違う二人。

アンは想いながらも傷つく事を恐れ、彼の想いに応えられなかった。

しかし劇場が火事になりアンを助ける為に周囲の静止の前に既に走り出していた彼の愛は

本気だったのだと思い知らされる。

そしてその行動は二人を大きく変える事になる。

劇中のアン役のゼンデイヤと歌った「Rewrite the Stars」はスタントなしのダンス、演技も素晴らしく助演男優賞をあげてもいいんじゃないかと思える程。

歌やダンスも素晴らしかった。

 

レティ・ルッツ(キアラ・セトル)

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女性であるが髭がある為に不幸な人生を歩んで来たのだろう。

だが彼女の歌声は人の心を打ち、聞く人々を感動させる。

そして彼女自身も劇団に居場所を見付け

その劇団員の一人として、団員を家族の様に思っていた。

自分の居場所はここだと言い切る。

This Is Me」は生まれた時から爪弾きにされ生きてきた、団員全員の心中を歌い上げていたに違いない。

力強く、そして強い感動を呼ぶ曲はアカデミー賞の歌曲賞にもノミネートされている。

 

 

ジェニー・リンドレベッカ・ファーガソン

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スウェーデンの有名なオペラ歌手。

一見華やかに見える彼女だが、実は彼女自身は婚外子

やはりどこにも居場所がなかった過去を持つ。

女王に招待された彼女は社交界デビューを果たしたバーナムとバッキンガム宮殿で出会う。

彼にアメリカでの公演に出演を打診された彼女は

「なぜ、私なの?」と不審を露わにするが

バーナムの「俺は人を騙して客を喜ばせるが、君の感動は本物だろうから」

の台詞に心動かされアメリカ公演を決意する。

そして彼の人柄に徐々に惹かれていくジェニー

劇中の「Never Enough」は映画でも1,2を争う感動曲に仕上がっている。

 

 

サーカス

「サーカス」という言葉には曲芸などの他に、大騒ぎや馬鹿騒ぎなどの意味もあった。

黒人や髭女や小人、全身入れ墨男、230kgのデブ男、

あらゆる人種、あらゆる人間が集まった劇団は成功し、バーナム自身も社交界デビューを果たす。

そしてそこで出会ったオペラ歌手のジェニー

彼女はアメリカ公演を続けている内に、バーナムに徐々に惹かれていく。

いや、最初に出会った時の

「俺は人を騙して客を喜ばせるが、君の感動は本物だろうから」

の時に既に恋は始まってしまっていたのか。

そんな彼女はバーナムを想い、彼の目の前で歌い上げる

 

Never Enough


The Greatest Showman - Never Enough [Official Lyric Video]

 

私は息を潜め 様子を伺っている

今この時が続いて欲しいけれど

いつかは終わりが来てしまう

 

私の中にある夢を

あなたは目覚めさせてしまった

今ではこんなに大きくなってしまった

この胸の鼓動が聞こえるかしら?

 

私の手を取って 一緒に感じて欲しい

もう、あなたなしでは、、、

 

何百のスポットライトや

夜空に浮かぶ星たちを手に入れたとしても

絶対満足しない 決して満たされない

 

金の塔だってちっぽけすぎる

例え世界を手に入れたとしても

絶対満足しない 決して私は満たされない

 

絶対に、決して

絶対に、決して

私は絶対に満たされない

決して満たされない

絶対に満たされない

私は、私は絶対に満たされない

 

何百のスポットライトや

夜空に浮かぶ星たちを手に入れたとしても

絶対に満足しない

決して満足はしない

 

金の塔だってちっぽけすぎる

例え世界を手に入れたとしても

絶対に満足しない

決して私は満たされない

 

決して、絶対に

決して、絶対に

私は絶対に 私は絶対に満たされない

絶対に絶対に満たされない

決して絶対に満たされない

私は絶対に満たされない

あなたなしでは私は満たされない

 

成功の裏で

社交界デビューを果たしたバーナムだったが、彼自身は成功ばかりを追い求め

足元を見失っていた

それは彼の家族、そして劇団の仲間たち

見てくれが悪い劇団員達をバーナムは社交界に紹介することを避けた

これまでずっと一緒だったバーナムと劇団員たち

辛い時も楽しい時もずっと一緒だった。

彼等は社交界に紹介されなかったのが残念だったのではない

家族だと思っていたバーナムが変わってしまった事が何よりショックで悲しかった。

しかし彼等彼女らに一つの思いが込み上げる。

自分居場所はここ。このありのままの自分を受け入れてくれるこの

劇団や仲間たちこそが私たちの家族。

そして私達はもう傷ついたぐらいで落ち込んだりはしない。

もう恐れはしない。

そんな彼女らが歌う「This Is Me」

力強く、もう恐れない決意を感じさせる曲

「This Is Me」


The Greatest Showman | This Is Me Lyric Video | 2018

 

私は暗闇を知ってる

言われた ”隠れてろ、お前など見たくない”

体の傷は恥だと知った

言われた ”消えろ、誰もお前など愛さない”

でも心の誇りは失わない

居場所はきっとあるはず

輝く私たちのために

 

言葉の刃で傷つけるなら 洪水を起こして溺れさせる

勇気がある 傷もある

ありのままでいる

これが私

 

心に弾を受けた続けた

でも撃ち返す

今日は恥も跳ね返す

バリケードを破り 太陽へと手を伸ばそう

私たちは戦士 戦うために姿を変えた

心の誇りは失わない

居場所はあるはず

 

輝く私たちのために

心の刃で傷つけるなら

洪水を起こして溺れさせる

勇気がある 傷もある

ありのままでいる

これが私

 

気をつけろ 私が行く

自分で叩くドラムが伴奏

見られても怖くない 謝る必要もない

これが私

これが私

 

私にも愛される資格がある

値しないものなど 何一つない

言葉の刃で傷つけるなら

洪水を起こして溺れさせる

ありのままでいる

これが私

 

気をつけろ 私が行く

自分で叩くドラムが伴奏

見られても怖くない 謝る必要もない

これが私

これが私!

 

感想

なぜこの映画はここまで心を打つのだろうか。

どんな苦境にあっても、それでも生きようとする人は美しいからだろうか?

そしてそう生きようする人の心をこの映画は掴んで離さない。

 

人間生きていれば、スネの傷の2つや3つ

時には人には決して話せないような辛い事、言えない事

心の何処かで恐れている事だってある。

この映画はそんな人間が共感できるものをミュージカルとして

台詞ではなく、歌や感情を表現したからに他ならない。

この映画は、近年の映画業界で言われている多様化などを飛び越して

いやもうそれすらどうでも良くて

ありのままの自分自身を受け入れる事で、他者も受け入れていく事ができるという

根本的な、そして夢にも似た希望を垣間見せてくれるからではないだろうか。

例え満たされなかったとしても決して恐れる事はない。

例え辛い時が続いても決して絶望する事はない。

人間が生きる上で必要なのは自分を信じる勇気だと教えてくれているからではないだろうか。

 

 

さあ、あなたはこの映画を観てどう感じましたか?

スリー・ビルボード」も良かったですが、それとはまたベクトルが違う

非常に感動する作品でした。

正直言うと、映画中盤から最後まで涙が止まらなく

こんなつもりで観に行ったはずではと思いながら鑑賞してました。

一人で良かった(いつもだろ)

 

デートに最適な映画。

そして二人でサントラを聴いてから劇場に行けば、感動度も三倍増しになる事を約束します。

勿論一人で観て涙を流すのもたまには良いですよ。

そして思いっ切り泣いて、明日からまた頑張ろうと思えたら

それは勇気の始まりなのではないかと自分は思うのです。