そんな儀式おそロシアホラー映画「ゴースト・ブライド」生贄の花嫁(原題:The Bride、Nevesta)
ゴースト・ブライド
2017年公開
監督 スヴィヤトスラフ・ポドガイエフスキー
キャスト ヴィクトリア・アガラコーヴァ
ヴィチェスラフ・チェプルチェンコ
アレクサンドラ・レヴョーノク
ゴースト・ブライドとは
原題のBride、Nevestaとは双方とも花嫁という意味だそうです。
全国順次公開ということでまだ観てない方も多いかもしれませんが
メンズデー1000円なので行ってきました(いつも通り一人で)
観客は全部で5人で超ガラガラ。
しかもめっちゃ空いてるのにめっちゃ後ろで観る人が居て、それが逆に怖かった。
で、肝心のゴースト・ブライドですが、ロシア産のホラー映画だそうです。
監督&脚本はミラーズ・呪怨鏡のスヴィヤトスラフ・ポドガイエフスキー
何度読んでも噛む名前。
「写真を撮られると魂が抜かれる」
日本でも聞いたことありませんか?
19世紀のロシアでは故人の瞼に目を描き、その写真を撮ると
写真撮影用の銀盤に故人の魂を捕らえたままにしておけると信じられていたそうです。
そして故人の遺品を身に着けさせた処女の人間を捧げると、その故人の魂は姿を替えて転生する。
これは映画用ですが、
海外では、故人を惜しむという意味合いで
死者の遺体をまるで生きているかのように工夫して撮影していた時期があったようです。
実際の写真を見てみるとゾッとする訳ですが、
故人の遺体の目をわざと見開かせたり、立っているかのように固定したり、、、
もし自分が死んだ後、目を見開かされて写真を撮影されるとしたら
遺書にそれだけは勘弁してくれと綴るでしょう。
今日では生前の写真を飾るので過去の出来事。
良い時代です。
さて、「ゴースト・ブライド」
やってはいけない死者復活の儀式。
蘇った者はどうなる?
そして生贄になった花嫁は??
ここからネタバレ
キャスト
ナスチャ(ヴィクトリア・アガラコーヴァ)
今回の生贄。
まだ大学生だが、イケメンのヴァンヤと婚約済み。
ヴァンヤが実家の姉に会いに行くと聞き、「じゃあ私も行く」と
言い着いていってしまう。
しかしその実家に隠された狂気とも言える儀式に生贄として捧げられようとは。
果たして彼女は生きたまま帰れるのか?
ヴァンヤ(ヴィチェスラフ・チェプルチェンコ)
ナスチャの彼氏。
ナスチャと婚約し、幸せな日々が待っているはずだったが
彼女を実家に連れて帰ったのが間違いの始まりだった。
「君を守る」と約束するヴァンヤ。
果たして彼は彼女を最後まで守りきれるか。
リザ(写真奥)(アレクサンドラ・レヴョーノク)
ヴァンヤの姉で二人の子を持つ母。
夫と思われる人物は登場するが寡黙で本当に夫婦なのか不明だった。
家族総出でナスチャを生贄にしようと協力するが、彼女も人の子。
最後は母親らしかったが、やはり因果応報なのか。
銀盤の花嫁
物語のスタートは19世紀のロシア。
不幸にも妻が亡くなり、その夫が妻の遺体を写真に収め
処女を生贄にし、生き返らせようとする所からはじまります。
瞼に目を描き撮影しようとしますが、そこは遺体。
勝手に頭を垂れて撮影が上手く行かず何度も頭を固定し直します。
観客は何の為にこんな事をするのかまだ分からないわけですが、
シーンが進むとその理由が判明します。
この行為自体の不気味さと、何度も頭を垂れる遺体の不気味さ。
実際に収められた写真。トーンも相まって更に不気味。
ナスチャとヴァンヤ
二人は婚約し、ヴァンヤが「実家の姉に会いに行く」と言うと
ナスチャは彼と実家まで着いて行きます。
その車中で幸せなそうな二人。
薬指に婚約指輪が嵌められていて、それを見る彼女はとても幸せそうでした。
奇妙な姉リザ
二人の子を持つヴァンヤの姉リザはどこか幸が薄そうな佇まい。
そのリザは生贄の儀式を成功させるためにナスチャに近づきます。
「貴女も家族の一員になるのよ」と
ナスチャが嵌めていた婚約指輪を外し、代々伝わるという指輪を彼女の指に嵌めます。
そしてこれもまた以前母親が着ていたというウェディングドレスを着せて
この家でヴァンヤと結婚式を挙げなさいと彼女に迫ります。
何も知らないナスチャ。
ヴァンヤの誤算
ヴァンヤは元々、自分の実家が呪われた儀式を代々続けてきたと知っていました。
そして家の奥の部屋にはその儀式で生まれた「母さん」と呼ばれる、
もはや人ではない呪われた生き物がいる事も。
そしてその生き物を更に生きながらえさせる為に
家族が生贄を欲しているとも知っていました。
それを承知で彼はナスチャを実家に連れてきたわけですが、
彼の計算では、結婚式を挙げる前に彼女を大学のあるモスクワに連れて帰る予定でした。
しかし、この絶好の機会を家族が逃すわけがありません。
家族はそれを察すると、ヴァンヤを監禁し閉じ込めてしまいます。
翌朝一人で起きるナスチャ。
ヴァンヤの携帯に何度電話をしても彼が出ることはありませんでした。
母さん
家族から母さんと呼ばれるその人物。
そう、最初のシーンで写真を撮られていた遺体こそが彼女。
正確にはもはや人間ではなく死者と生者の理の間に存在する生き物。
ナスチャは幻覚剤を盛られたのか、それともその生き物のなす技なのか
頻繁にその姿を見かける様になります。
開放されたヴァンヤ
結婚式当日、ヴァンヤか監禁所から開放されていました。
どうやら家族と取引きをしたようです。
身の自由と引き換えに、ナスチャを差し出すという理由で。
ヴァンヤはナスチャを抱きしめながらこう言います。
「君を守る」
彼の言葉は本当なのでしょうか。
生贄の結婚式
そしてついにナスチャとヴァンヤの結婚式が始まります。
しかし結婚式とは名ばかりで、逃げようとした所を捕まえられてしまうナスチャ。
もはや生贄になるしか無いのかと思われたその時
なんとヴァンヤが助けに現れます。
ヴァンヤは家族と取引きしたと見せかけて、彼女を魔の手から救うチャンスを伺っていたのです。
彼女との約束を守ったヴァンヤ。彼は彼女を抱きかかえ
車に乗せ、屋敷から逃げます。
花婿と花嫁の逃亡
二人は車でかなり屋敷から離れた場所まで来ました。
しかし安心したのも束の間、家族の追手は直ぐそこまで伸びていました。
ヴァンヤがナスチャに顔を向けているその瞬間!
車の運転席側にトラックで体当たりされ
車は木に激突し、その衝撃でヴァンヤは車の中で動かなくなってしまいます。
そしてナスチャは追ってきた二人に再び捕らえられ
屋敷へと連れ戻されてしまいました。
生贄の儀式
生贄は誰でも良いわけではありません。
いくつか守らなければならない条件があります。
- 生贄には故人の遺品を身に着けさせること。
- 外見が故人に似ていること。
- そして生贄は処女でなくてはいけないこと
屋敷に飾ってあった故人の写真が、皆容姿が似ていたのはそんな理由でした。
ナスチャも例外ではありません。
母さんと呼ばれていたその生前の姿に瓜二つでした。
そしてついにナスチャの生贄の儀式が始まります。
彼女は生きたまま棺桶に入れられ、土に埋められてしまいます。
そしてしばらくすると、あの人でも死者でもない何者かが棺桶の中に現れるのです。
そして棺桶の中で魂が入れ替わりナスチャは屋敷の家族の新しい母さんとして
生まれ変わるのです。
逃げようがないナスチャ。
棺桶は何度も激しく揺れ、ついに魂の入れ替わりは行われてしまいました。
生娘
ナスチャはもはや人間ではなくなり、別の生き物として動き始めます。
屋敷の家族の誰もが儀式が成功したと思った瞬間。
その生き物に異変が起こります。
彼女は急に苦しみ始め、ついにその魂はその体から出て行ってしまいました。
一体何が?
そう、ナスチャは生娘では無かったのです。
ヴァンヤと婚約した晩に、彼と既に性行為を交わし
処女では無くなっていました。
ナスチャから出た魂は怒り狂います。
まずは儀式をずっと取り仕切っていた女性を挨拶代わりに呪い殺し
その後も家族を襲い続けます。
銀盤に収められた魂
魂が入れ替わり動かなくなっていたナスチャ。
彼女は死んでしまったのか?
彼女の魂はあの世に行ってしまったのか?
しかし彼女は死んではいませんでした。
寸出の所で息を吹き返し、この世に戻って来れたのです。
そしてナスチャはあの生き物の退治の仕方を思いついていました。
あの生き物の魂は銀盤に閉じ込められている。
つまりその銀盤を壊せばあの呪われた魂も二度とこの世には姿を表すことができなくなる。
ナスチャはヴァンヤの姉リザの子供達を助ける為、屋敷へと戻り銀盤を探します。
そしてランプと銀盤を手に持ち最後の対決へと向かいます。
感想
実は話はまだ続きクライマックスはもう少し先です。
何だよここまでかよかと思うかもしれませんが、何故かと言うと
そんなに怖い映画ではなかったからです。
ここまで読んでみてそれでも最後が気になるなと思った方は後でレンタルでも良いと思います。
音響もちょっと大げさなところがあって、逆に気が削がれた場面が何度も有りました。
ロシア映画という事だったので、もっと暗くてジメジメしたのを
期待したのが良くなかったのかも知れません。
映像だけを切り取るとゾッとするような絵もあるわけですが
ホラー映画としては全然怖くない部類に入る作品です。
ブログタイトルで遊んだのもそんな理由からです。
きっと女性でも普通に観れます(毎回言っている気がする)
結末を教えろよ!って方は少しだけ、、、、
ヴァンヤの姉リザが自分の子供達を守る為にあることをします。
そしてナスチャと子供達の窮地を救うわけですが、
その体や家の中は燃え盛るのに、外から見た屋敷から全く煙が出てないんですね。
屋敷を残し続編への布石?
実際新しい家族がその屋敷に住もうという所で映画は終わるんですけどね。
そんな所もちょっと興醒めしてしまって最後まで書く気になれませんでした。
レンタルで良いと言ったのもそんな理由です。
さて、そんな儀式おそロシアホラー映画「ゴースト・ブライド」
タイトルはわりと気に入っています。
今回の記事は映画と同様50点というところでしょうか。
余談ですが、男を生き返らせる場合やはり童貞が生贄になるのでしょうか?
もしそうなら、二重の意味で辱めを受けるような気がして
少し気の毒だなと思いました。
ジョーク映画で使えそうなネタです。
ハリウッドさん、いかがでしょうか?